試飲会での利き酒や、ご挨拶回りを私達は大事にしております。
お酒を扱う酒販店や業務用卸の会社というのは「お客様にどんなご提案が出来るか?」を常々頭に入れて新商品の開拓や、新しい蔵元とのお取引の機会を大事にしております。
こういった試飲会は私達の様な業者がメインの参加者のイベントや、勿論一般の方々も参加できる比較的規模の大きなイベントもあります。規模が大きくなると沢山の方々がおこしになるので、商品の説明をしてくださる蔵元達はとても忙しそうです。
会場も酒造組合の建物内で開かれるものや、ホテル、駅周辺のイベント会場など様々な場所で開催されます。特に新酒の発表が盛んになる3月4月頃ですと東京都内でも毎週のように大きなイベントが開かれます。
新しい酒との出会いを求めて
試飲会へ参加して普段からお付き合いのある蔵元とご挨拶をしたり、その蔵元の今シーズンのお酒を利かせて頂くのは勿論ですが、新しい商品や蔵元との出会いも大事にしております。
日本国内には約1000社程の酒蔵が存在すると耳にする事があると思いますが、その全ての蔵の商品が東京都内で流通している訳ではありませんね。地酒として地方で楽しまれていても、都市部には流通されていない隠れたお酒というのは沢山あります。また、今まで親の代の蔵元は地元中心で営業販売活動を行ってきたけれど、息子さんの新しい代へシフトする際に東京市場でも自分達のお酒を販売したいとお考えの蔵元もいるでしょう。
私達もお取引させて頂いている飲食店の皆様へ素晴らしいお酒をご提案したいので、こういったイベントへ足を運び酒を利く事を大切にしております。気になる商品がありましたら直ぐに蔵元や営業担当者さんと会話をして、その商品の説明を聞かせて頂きます。1つ1つの商品には素晴らしい背景があるので、そういった情報を直接蔵の方々より聞ける機会は大切にしたいと考えております。
そして私達が頂いた情報を出来るだけ分かりやすくお客様である飲食店の皆様へお伝えする事も私達の大事な使命でもあります。
人気の酒は直ぐに無くなる
こういった試飲会は大体2~3時間入場できるというのが多いのですが、自分達の会場入りする時間が遅ければ「空瓶」だけを目にする事もあります。つまり、先に他の方々が試飲されて商品が無くなってしまったという事です。
注目度が高い蔵の酒や、シーズン限定の生原酒などは試飲されたい方も多く、場合によっては自分達が試飲出来ない事もあります。ですので私達が試飲会へ参加する際は、なるべく早めに会場入りする事を心がけております。例えば午前と午後の部がある試飲会であれば、可能な限り午前の早い時間に行くようにしております。
早く到着しますと会場もまだそんなに込み合っていない場合も多く、蔵元とゆっくりと情報交換が出来る機会もあります。毎年造られる酒は気候の違いや醗酵具合による味の変化等も影響してきますので、造り手である蔵の関係者との会話で教えて頂ける情報はとても重要です。
飲食店のお客様の事を考えて試飲をする
お酒を試飲する際は自分達の好みの酒を探すのではなく、私達とお取引をしてくださっている飲食店やそのお店のお客様の事を考えて試飲をしております。
飲食店と一言でいっても様々なスタイルやメニューが存在しますね。お店で食事とお酒を楽しまれるのはお客様ですので、お客様目線でお酒を利く事が私達にとって大事な仕事です。
こういった試飲会というのは自分達の情報収集や情報交換の場でもありますが、一番はお客様へご提案する「輝いている商品、輝きを感じる蔵元」のご縁を求めて参加しております。
そして私達が選んだお酒を後ほど飲食店へご提案し、「このお酒良いね、直ぐにでもメニューに載せたい」というお言葉を頂ける時は、私達にとって嬉しい瞬間です。
酒のプロとして、常々お酒とのご縁を大切にしていきたいと思います。
私達が選んだお酒で飲食店のお客様が笑顔になれば幸いです。