9月に入りますとお酒の試飲会も佳境を迎えます。今回出席したのは恒例の大星岡村様・岡永様の2社です。どちらの試飲会も毎年人気で会場には業界関係者が沢山参加されます。私どもを含め、参加した皆さんが「魅力的な酒はないかな?」と真剣に酒を利いてました。
今回のブログの前半は大星岡村様の試飲会に行った際に気になった商品をご紹介させて頂きます。場所は有楽町の交通会館。会場に入る前から熱気を感じました。この試飲会の人気の高さがうかがえますね。
兵庫県播州の地酒 龍力
特別純米 龍力 山田錦 生酛仕込み
なんといっても力強い味わいが売りです。味わいは厚みがあり、かつまろやかさが特長です。口に含んでみますと口中をやさしく包んでくれるような感覚です。極端な自己主張や荒々しさはありません。秋の夜長にぬる燗でゆっくりと味わいたいお酒です。
価格は1.8L 3,000円 720ml 1,500円です。
現場の蔵のスタッフも風貌などはどことなく無骨全とした感じがします。
でもお酒の説明はとても親切丁寧。真心が伝わってきます。説明に聞きほれながら、ひしひしと蔵のポリシーなるものが伝わってくるのを感じます。お客様にこの体験をどう伝えようか、考えるだけでもワクワクします。
土佐 高知の銘酒 美丈夫 (びじょうぶ)
美丈夫 舞 純米大吟醸
土佐の高知と言えば酒豪のイメージが。初めて味わうお酒に期待をしつつまずは一口。青りんごのようなみずみずしい香りと滑らかなビロードのような口当たり。余韻も適度にスーッと消えていきます。お刺身、煮物、焼き魚など和食全般にぴったりです。
驚いたのが純米大吟醸 720mlで1,650円という価格。
お買い得です。コストパフォーマンスバッチリです。こちらのスタッフも説明には気が入っています。でもあくまでスマートで洗練された感じです。ついつい説明に聞き入ってしました。長い間、私一人で独占してしまいごめんなさい。
限られた時間で試飲会に望むには2~3の蔵元に絞ってじっくりとスタッフの説明を聞くのがポイント。気に入ったお酒の香り・味わいなどをしっかりとインプットして帰路に着きました。
9月13日 地酒専門問屋 岡永様の試飲会へ参加
場所は新宿の京王プラザホテルです。この試飲会への参加を楽しみにされている方はとても多いかと思います。岡永さまが厳選している酒が揃うので、業界関係者の方にとって重要な試飲会の一つと言えるでしょう。この試飲会で気になった商品が何点かあったのでご紹介します。
五橋 生もと純米酒 木桶造り
五橋のお酒は前々から興味がありました。山口県でも名だたる銘酒です。
今回は生もと純米の木桶造り。天然の乳酸を使いじっくりと時間をかけて作った濃醇で深みのある味わいです。合わせて貴重な木桶造り。ほんのりとではありますがどことなくさわやかな木の香りも感じられます。和食で濃い味付けの料理や揚げ物にも合います。飲み飽きしないし食中酒にぴったりです。
価格も1.8L 2,900円 720ml 1,450円と造りの内容としてはリーズナブル。
今後もますます脚光を浴びる蔵の一つになることでしょう。
爽やかな酸味の発泡純米酒 ねね
この蔵でもう一つご紹介したいのが「ねね」という素晴らしい出来の発泡純米酒です。
いま人気急上昇なのが日本酒の発泡酒ですが、数ある商品の中でも「ねね」はお勧めです。口に含むとしっかりとした甘みを感じますが決してべとつくような甘さではありません。爽やかな酸味と調和して後味もすっと引き残りません。食前酒に少し飲みますと後の食事が進みます。近年蔵元もこぞってこの発泡酒に力を入れています。今後もおいしい発泡酒が続々と発売されることでしょう。
価格は300mlで700円。
皆さま是非一度お試しあれ。
coedoクラフトビールも素晴らしい
訪ねたのはcoedoビールのコーナー。小江戸 江戸の台所として栄えた埼玉川越が生産地です。種類は5種類も。
- 紅赤-Beniaka
- 瑠璃-Ruri
- 伽羅-Kyara
- 白-Shiro
- 漆黒-Shikkoku
赤みがかった琥珀色と香ばしい甘みが特長の紅赤。薩摩芋を使っています。スタンダードでピルスナースタイルの瑠璃。日本のビールに一番近いタイプです。しっかりとした苦みとスパイシーさも感じさせる伽羅。小麦を使ったビールで爽やかでうっすらと果実味も感じられる白。黒ビールですがまろやかですっきりとしたタイプの漆黒。クラフトビールが初めての方には瑠璃が馴染みやすいかもしれません。また白も心地よい果実味が特徴でオリーブオイルを使った料理にも合うと思います。5本すべてを試飲してスタッフの方の熱の入ったお話にも聞き入ってしましました。
ここでの滞在時間が一番長かったようです。クラフトビールは今静かなブームを巻き起こしています。お酒売り場のクラフトビールのコーナーに立ち寄りましたら少し注意を向けていただけますとまた新たな発見があるかもしれません。
連日の試飲会は楽しいひと時でしたが、テイスティングもこれでなかなか根気が入ります。以前ワイン学校の先生に教えていただきまたが、人間の嗅覚もトレーニングを重ねていくたびに鋭敏になるそうです。一種の筋肉トレーニングのようです。酒販店の仕事の一部としての試飲ですが、私の場合は新たなお酒の出会いを楽しみにしたホビーのような感じです。これからもあまり気張らずに皆様においしいお酒をお届けするためこうした機会を大切にしていきたいと思います。
秋もこれから一段と深まりいよいよお燗酒の季節になりました。冷やおろしなる日本酒もまさに佳境を迎えています。次回のレポートも是非ご期待ください。